太融寺

庭づくりの背景・ポイント

831年に弘法大師が創建された寺院。戦争などで焼失したが再建された。
1975年からの専属庭師。庫裏改修工事に伴い本堂南側に新たに北澤佳明の設計・施工のもと作庭した。
施主の要望により四季折々の樹木が入っている。
九山八海を表している。
本堂の南側に太融寺庭園「九山八海庭園」とその庭から東方向に八角堂が新築され現存の庭から八角堂へ動線を保ち、新たな庭「萬壽庭園」を作庭させて頂いた。

■ 萬壽の庭 「萬壽庭園」
①既存の庭から八角堂エリアへの境界

・京都産山石を使用し、石積みを施工。

久留米ツツジの品種である「暮れの雪(クレノユキ)」花は白色の二重を雲に見立てて植栽した。

・枯山水庭園様式の石橋から八角堂へ進む庵治石による石張り。

象徴的な築山は亀を表現した。

・・・人それぞれの理想郷に運んでくれる亀

甲羅部分には、天上界の如意輪観音が鎮座しヤブコウジ(品種:亀の子)、獅子頭

を植栽。

・亀島の周囲の白砂と景石は人間世界を表している。

② 八角堂の周囲の四つの築山

・東西南北を守護する四天王を「一木一石」で表現した。

北・・・八角堂の北東部の築山に 多聞天を表す青色の景石と多行松

西・・・八角堂の北西部の築山に 広目天を表す白色の景石と多行松

南・・・八角堂の南西部の築山に 増長天を表す赤色の景石と木斛(モッコク)

東・・・八角堂の南東部の築山に 持国天を表す黒色の景石と北山台杉

③東門からのエリア

蔵と庫裏の間には、蹲(つくばい)を設えた。

蹲は庭園の添景物であり、茶室など特別な空間に向かうための結界とも言われている。このエリアに配することで少しの緊張感を感じさせ清々しい気持ちになれる事を意識した。

また、西門に基本的な構成の蹲があるので、こちらは「降り蹲い」という手法を用いた。

狭いスペースを広く見せるという効果もある。

④東門から八角堂へのエリア

枝垂れ桜とさざれ石

太融寺庭園内には京都産のさざれ石(山石)を多く使用しているが、この場所のさざれ石は岐阜県の天然記念物に指定されているさざれ石を景石として配した。